猫背の話

みなさんこんちにちは院長の吉田です。

 

今回は猫背の話をしたいと思います。猫背は人体における退行性変化の一つといえます。

 

20代以降から椎間板の水分や骨密度は緩やかに減少していきます。特に猫背が顕著に現れる部位は脊椎でも胸椎と呼ばれる部位です。

 

猫背は体質や生活環境に大きく左右されます。また、猫背は不良姿勢の”結果”として現れますが、様々な視点から猫背を考察することが可能です。

 

今回はいくつかに分類していきたいと思います。

 

以下に猫背の原因を列挙したいと思います。

 

・脳疲労

 

・筋力低下

 

・脊椎(椎間板など)の摩耗

 

・作業姿勢

 

まず脳疲労ですが、脳が疲労することで脳全体の機能低下が起きます。これは病的なものではなく、思考能力や判断能力の低下がみられる傾向にあります。

また、それに伴い脳幹網様体や平衡感覚を司る機能も低下するため姿勢維持機能にも影響を及ぼします。

 

姿勢維持筋は抗重力筋ともいわれますが、抗重力筋は下半身から上半身まで幅広く存在しております。

 

■抗重力筋

 

・ヒラメ筋

 

・大腿四頭筋

 

・大殿筋

 

・大胸筋

 

・広背筋

 

・脊柱起立筋

 

・腹筋

 

・胸鎖乳突筋     など

 

抗重力筋の機能が低下するということは、結果として筋肉の弛緩を意味します。筋肉が正常に収縮維持できないことで筋肉が弛緩し、体が丸くなりやすくなるのです。

 

例えば、疲れた人やアルコールで酔っ払った人をイメージしてみると姿勢が丸まっている印象があります。

 

これは脳の機能が一時的に低下していることで正常な姿勢維持機能をコントロールできない状態なのです。

 

脳疲労による姿勢改善の一番のカギは睡眠です。睡眠をしっかり取って脳細胞を休ませて挙げることが重要です。

 

また、睡眠不足以外にもビタミンやミネラル不足による脳疲労もあるので注意が必要です。

 

次に筋力不足ですが、先述した抗重力筋の筋力低下による猫背もあるように老化による脳機能の低下や筋力低下も挙げられます。

 

特に私個人の見解では胸鎖乳突筋、腹筋、広背筋、大腿四頭筋、大殿筋が猫背に対して影響力の高い抗重力筋だと思います。

 

上記で挙げた筋群の軽負荷トレーニングを継続して行うことが筋力低下による猫背を防ぐポイントといえます。

 

次に脊椎の摩耗ですが、言い換えれば老化による脊椎の退行性変性により椎間板や骨の密度が減少することで構造学的に脊椎の傾斜が大きくなります。

 

傾斜が大きいということは湾曲が大きくなることを意味します。脊椎の摩耗は体質や生活環境が大きく影響します。

 

最後に作業姿勢ですが、これは先述した内容を包括するものとなります。長時間の作業姿勢(特に立つ、座る)は脳疲労、筋力低下、脊椎の摩耗などを大きく誘発させます。

 

その過程でいかに猫背になりにくくするかは日々の取り組みが大事になります。