自律神経失調症

自律神経失調症とは、自律神経における交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで起きる症状の総称です。

 

主な症状

 

イライラ、不眠、頭痛、めまい、吐き気、動機、息切れ、胃もたれ、耳鳴り、被害妄想、味覚障害、生理不順、疲労、便秘、下痢、冷え、アレルギーなど

 

また、自律神経失調症は病態を指すことからうつ病、パニック障害、過敏性腸症候群、適応障害などと混同して出現することがあります。

 

原因

 

自律神経失調症は生活習慣における

 

・物理的ストレス

・化学的ストレス

・生物的ストレス

・心理的・精神的ストレス

 

の4つの因子が大きいとされています。

 

これらのストレス因子は現代社会において以下に置き換えられます。

 

・運動不足、睡眠不足、栄養不足、オーバーユース、オーバーワーク、過労、薬剤、手術、サプ

リメント、勉学、人間関係、お仕事、家庭環境など

 

H・セリエのストレス学説から見た自律神経失調症

 

H・セリエのストレス学説からみた自律神経失調症の実態は以下のストレス期間で表現できます。

 

・警告期・・・ストレスに対応するための準備状態(体は健康)

 

・抵抗期・・・ストレスに抵抗している状態(自律神経系の乱れ)

 

・疲憊(ひはい)期・・・ストレスに抵抗できない状態(病気、死)

 

警告期→抵抗期→疲憊(ひはい)期のステージ順で体は防衛反応を行います。自律神経失調症を

患う多くの方は上記の期間でも抵抗期から疲憊(ひはい)期に属しています。

 

セリエはストレッサーによるストレスをある臓器と関連付けました。それは「 副腎 」という臓器です。

 

また、セリエはすべての病気は副腎肥大、リンパ組織の萎縮、リンパ球減少、消化器潰瘍などの非特異的反応がみられることを発見し、そのような症状を汎適応性症候群と名付けました。

 

自律神経失調症と大きく関連する器官

 

自律神経失調症と一番関連する器官は以下が挙げられます。

 

・副腎

 

副腎の機能の亢進または著しい低下が自律神経失調症と大きく関連します。自律神経失調症は副腎の機能を改善させることが最重要になります。

 

副腎の働きが悪いことを副腎疲労ともいいます。当院では自律神経失調症と副腎疲労の二つの観点から症状にアプローチを行います。

 

自律神経失調症と脳神経系

 

自律神経の総合中枢は間脳の視床下部というところにあります。視床下部は自律神経系の総合中枢として作用し、視床下部のプログラムが遠心性出力を介して下垂体や脳幹を経由し内臓器官や免疫器官に作用します。

 

・体温調節

 

・睡眠調節

 

・消化調節

 

・ストレス調節

 

下垂体からは以下のホルモンが分泌されます。

 

・抗利尿ホルモン

 

・成長ホルモン

 

・メラニン細胞刺激ホルモン

 

・オキシトシン

 

・プロラクチン

 

・卵胞刺激ホルモン

 

・副腎皮質刺激ホルモン

 

・甲状腺刺激ホルモン

 

また、自律神経の総合中枢においてもう一か所重要な部位があります。それは島皮質(ライルの島) という部位です。

 

島皮質は大脳皮質の一領域と言われていますが、主に前部と後部に分かれ、島皮質前部は嗅覚、味覚、内臓自律系、及び辺縁系の機能により強く関わり、島皮質後部は聴覚、体性感覚、骨格運動とより強く関わっていると言われています。

 

島皮質:運動制御、味覚、聴覚、痛覚、体性感覚、内臓感覚を中心とする自律神経、言語、情動、感情など様々な感覚間の統合を行い 大脳、大脳皮質、大脳辺縁系、大脳基底核などに連絡を行います。

 

●自律神経失調症の方は視床下部、島皮質の機能が著しく低下している可能性があります。

 

自律神経失調症の施術

 

自律神経失調症の施術をする場合、カウンセリングにおいて以下のストレス因子を把握する必要があります。

 

・物理的ストレス因子

・化学的ストレス因子

・生物的ストレス因子

・心理的・精神的ストレス因子