頚椎症は、加齢による頸椎の椎間板退行性変性により椎間板腔狭小化、骨棘などの異常所見が認められる症状です。
頸椎症は軽度から重度まで幅広く、重度の症状は頸椎神経根症や椎間板ヘルニアに移行することがあります。また、ストレートネックを抱える方は頚椎症であることが多いです。
レントゲン所見
頸椎症のレントゲン所見として以下が挙げられます。
●椎間板腔狭小化
●骨棘
●靭帯肥厚
●靭帯骨化
●頸椎前弯低下
頸椎症の好発年齢
頸椎症の好発年齢は40代以降になります。
頸椎症の発症要因
頸椎症の発症要因として以下が挙げられます。
●加齢
●猫背
●ストレートネック
●不良姿勢
●荷重ストレス
頸椎症の好発部位
頸椎症における痛みやしびれの原因となる好発部位は頸椎5/6番、頸椎6/7番と言われています。理由は生体力学的に負担がかかりやすいからです。
頸椎症による神経症状
頸椎症が重症化すると首の痛みや腕にしびれが出現することがあります。
頸椎症による痛みやすい動作
●首を反らす
●痛みが出現するに首を回す
これは構造的に頸椎の椎間孔が狭くなる動きであるため、神経や関節組織の負担増加につながるからです。
頸椎症によるしびれが出やすい部位
●親指
●人差し指
●肘周辺
●首から肩にかけて
●肩甲骨の後ろ
末梢神経の損傷具合です。神経の三段階別の変性をご覧ください。
● 一段階:Neuropraxia (神経遮断、神経麻痺、一過性伝導障害)
●二段階:Axonotmesis(軸索断裂)
●三段階:Neurotmesis(神経断裂、軸索離断)
上記の三段階はレベル3になるほど神経の損傷がひどくなります。徒手療法において改善傾向が示せるレベルは一段階までが限度です。二段階以上は徒手療法で改善することは難しいレベルです。
しかし、一段階でも神経麻痺は徒手療法での改善はほぼ不可能と言えます(一過性の麻痺であれば別ですが、それでも可能性は低いといえます)。
頸椎症で傷ついた神経や筋膜組織に以下が挙げれらます。
●腕神経叢
●橈骨神経
●正中神経
●尺骨神経
●斜角筋
●脊柱起立筋
上記で挙げた神経や筋膜組織の緊張や柔軟性を回復させて、末梢神経の内圧を減圧し、神経内の栄養循環を促進させることで感覚神経および運動神経の機能回復を促す必要があります。