今回は自律神経系のお話をしたいと思います。カイロプラクティックと自律神経系は密接な関係があります。
神経系に健全さをもたらすカイロプラクティック・ケアは交感神経系の活動を抑制し、副交感神経系の活動を優位にします。
●交感神経は体を活動に適した状態に調整します
主な機能
・瞳孔拡大
・心拍数増加
・気管支拡張
・血管収縮
・膀胱の弛緩
・少量の唾液分泌
・肝臓の代謝促進
・顆粒球増加
●副交感神経は反対に体を休息に適した状態に調整します
主な機能
・瞳孔縮小
・心拍数低下
・気管支収縮
・血管拡張
・膀胱の収縮
・多量の唾液分泌
・リンパ球増加
視床下部
視床下部は自律神経系の総合中枢として作用し、視床下部のプログラムが遠
心性出力を介して下垂体や脳幹を経由し内臓器官や免疫器官に作用します
・体温調節
・睡眠調節
・消化調節
・ストレス調節
下垂体
・抗利尿ホルモン
・成長ホルモン
・メラニン細胞刺激ホルモン
・オキシトシン
・プロラクチン
・卵胞刺激ホルモン
・副腎皮質刺激ホルモン
・甲状腺刺激ホルモン
島皮質(ライルの島)
・運動制御、味覚、聴覚、痛覚、体性感覚、内臓感覚を中心とする自律神経、言語、情動、感情など様々な感覚間の統合を行う
・大脳、大脳皮質、大脳辺縁系、大脳基底核などに連絡を行います。
※ 島皮質は大脳皮質の一領域と言われていますが、主に前部と後部に分かれ、島皮質前部は嗅覚、味覚、内臓自律系、及び辺縁系の機能により強く関わり、島皮質後部は聴覚、体性感覚、骨格運動とより強く関わっていると言われています。
視床
視床は嗅覚以外のすべての感覚(視覚、味覚、聴覚、触覚、痛覚など)が通過し、その情報は大脳皮質に送られる手技による患者さんへの刺激は体性刺激として脊髄を介し、上位中枢や効果器に伝達されます。
脳幹網様体
サブラクセーションによる脳幹網様体への刺激は高度の覚醒反応をもたらし、体全体の緊張度の増大へとつながります。また、脳幹毛様体が興奮することで交感神経系の活動も増大し、内臓機能や免疫機能の低下につながります。
神経伝達物質
自律神経系の主な神経伝達物質はアセチルコリンとノルアドレナリンです。また、交感神経線維や副交感神経線維は、1つの神経細胞だけからなる自発的な運動神経と対照して、「神経節前」及び「神経節後」神経細胞の両方があります。
●交感神経節前線維
・アセチルコリ ン
●交感神経節後線維
・ノルアドレナリン
●副交感神経節前線維
・アセチルコリン
●副交感神経節後線維
・アセチルコリン
アセチルコリンの作用
アセチルコリンは、運動神経の神経終末、交感神経と副交感神経の神経節、副交感神経(迷走神経)の神経終末、交感神経(汗腺のみ)の神経終末における伝達物質として機能しています。
ノルアドレナリンの作用
ノルアドレナリンは外部ストレスにより刺激を受けた視床下部室傍核ニューロンが交感神経を賦活化し、交感神経終末からノルアドレナリンの分泌を促進させます。また交感神経から分泌されたノルアドレナリンが副腎髄質からのアドレナリン分泌を促します。
自律神経系に属する神経
・交感神経節前線維
・交感神経節後線維
・副交感神経節前線維
・副交感神経節後線維
・迷走神経
・動眼神経
・舌下神経・顔面神経
自律神経と密接な臓器
カイロプラクティック・アジャストメントによる正常な感覚入力は、体性反射を介し内臓機能を調整します。
●心臓
機能:脈管系器官
関連筋肉:肩甲下筋
経絡:心経
●副腎
機能:ホルモン器官
関連筋肉:後脛骨筋、ヒラメ筋、腓腹筋、縫工筋、薄筋、膝窩筋
経絡:心包経
●肝臓
機能:代謝器官
関連筋肉:大胸筋胸肋部、菱形筋
経絡:肝経
●胆のう
機能:消化器官
関連筋肉:三角筋、膝窩筋
経絡:胆経
●肺
機能:呼吸器官
関連筋肉:烏口腕筋、前鋸筋
経絡:肺経
●胃
機能:消化器官
関連筋肉:大胸筋鎖骨部、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋
経絡:胃経
●脾臓
機能:免疫器官
関連筋肉:広背筋、中・下部僧帽筋、母指対立筋
経絡:脾経
●膵臓
機能:消化器官
関連筋肉:広背筋
経絡:脾経
●小腸
機能:消化器官
関連筋肉:腹筋、大腿四頭筋
経絡:小腸経
●大腸
機能:消化器官
関連筋肉:ハムストリング、腰方形筋
経絡:大腸経
●腎臓
機能:泌尿器官
関連筋肉:僧帽筋、大腰筋、腸骨筋
経絡:腎経
●膀胱
機能:泌尿器官
関連筋肉:腓骨筋、脊柱起立筋
経絡:膀胱経