ストレス学説のお話

みなさんこんにちは院長の吉田です。

 

今回はストレス学説を提唱したハンガリー系カナダ人の生理学者ハンス・セリエさん(以下:セリエ先生)についてお話していきたいと思います。

 

セリエ先生はオーストリア=ハンガリー帝国出身の生理学者で、初めてストレス学説を唱え、ストレッサー(外部からの刺激)の生体反応を明らかにしました。

 

このストレスという概念はセリエ先生が初めて提唱した概念であり、まだ提唱されてから100年も満たないというのは驚きです。また一説にはストレス研究のために動物1万5千匹が犠牲になったと言われています。

 

さて、ストレス学説についてですが、セリエ先生は自己に対する外部刺激のことをストレッサーと名付けました。そのストレッサーは以下の4つに分かれます。

 

・物理的ストレッサー

 

・化学的ストレッサー

 

・生物的ストレッサー

 

・心理的・精神的ストレッサー

 

そして、ストレッサーに対する防衛反応をセリエ先生は以下の3つのステージに分けました。

 

・警告期・・・ストレスに対応するための準備状態(体は健康)

 

・抵抗期・・・ストレスに抵抗している状態(自律神経系の乱れ)

 

・疲憊(ひはい)期・・・ストレスに抵抗できない状態(病気、死)

 

警告期→抵抗期→疲憊(ひはい)期のステージ順で体は防衛反応を行います。実際のところ現代人の7割は抵抗期の分類に属していると思われます。しかし、厳密に言うと抵抗期の中にもさらに細かく分類することが可能であり、上記の3つのステージは大まかな分類だと思ったほうがいいです。

 

さらにセリエ先生はこのストレッサーによるストレスをある臓器と関連付けました。その臓器とは「 副腎 」です。ストレス学説を用いて副腎の作用機序を研究していったのです。

 

そして、セリエ先生はすべての病気は副腎肥大、リンパ組織の萎縮、リンパ球減少、消化器潰瘍などの非特異的反応がみられることを発見し、そのような症状を汎適応性症候群と名付けました。