心因性腰痛

今回は心因性腰痛についてお話したいと思います。

 

心因性腰痛とは、腰痛の原因が椎間板、骨棘、靭帯の肥厚などの器質的な要因が元ではなく、精神的なストレスからくる腰痛を指します。また、心因性腰痛の特徴として腰の筋肉や筋膜の過緊張がみられます。

 

症状

 

●慢性的な腰痛(繰り返し起きる)

 

●姿勢維持筋の過緊張、炎症

 

●ぎっくり腰

 

原因

 

心因性腰痛を引き起こす心理的・精神的ストレッサーは以下があります。

 

●お仕事

 

●人間関係

 

●家庭環境

 

●学校関係

 

心理的・精神的ストレスは、以下の3つの脳機能に悪影響を及ぼします。

 

●大脳新皮質(理性を司る)

 

●大脳辺縁系(本能を司る)

 

●脳幹網様体(自律機能を司る)

 

3つの脳機能は三位一体の関係でお互いに影響を与えています。

 

脳疲労

 

これら3つの脳機能のうち、心理的・精神的ストレスは大脳辺縁系と呼ばれる部位がもっとも負担がかかります。大脳辺縁系は快、不快などの情動を司る場所です。

 

先述したように3つの脳機能は三位一体の関係なので、大脳辺縁系に負担がかかれば脳幹網様体などにも悪い影響を及ぼします。

 

脳幹網様体に負荷がかかると以下の作用が起きます。

 

●身体全体の緊張状態の増大

 

●交感神経活動の増大

 

●免疫力の低下

 

脳幹網様体は姿勢維持筋でもある抗重力筋の緊張度合いをコントロールしている場所でもあります。また、抗重力筋は腰痛の筋肉でもある脊柱起立筋、大腰筋、大殿筋などがあります。

 

腰痛に関連する姿勢維持筋(抗重力筋)

 

●脊柱起立筋

 

●大腰筋

 

●大殿筋

 

つまり心因性腰痛とは、心理的・精神的ストレスにより大脳辺縁系に負担がかかる→姿勢維持を司る脳幹網様体に悪影響→姿勢維持筋の脊柱起立筋などが過緊張を起こす→筋肉の炎症→心因性腰痛の出現という流れになります。

 

①心理的・精神的ストレスにより大脳辺縁系に負担がかかる

 

②姿勢維持を司る脳幹網様体に悪影響

 

③姿勢維持筋の脊柱起立筋などが過緊張を起こす

 

④筋肉の炎症

 

⑤心因性腰痛の出現

 

アプローチ

 

心因性腰痛は、心因性腰痛を引き起こす心理的・精神的ストレッサーに対する認知、行動、耐久性などを身につける必要があります。

 

西洋医学では認知行動療法、マインドフルネス、EMDRなどのアプローチ法があります。

 

カイロプラクティック・ケアではアジャストメントを行うことで脳幹網様体を刺激(賦活化)し、神経系の健全さを回復・維持させます。