ガンステッドのお話

ガンステッド・テクニックはアメリカのカイロプラクターであるDr.ガンステッド(1898-1978)が考案したテクニック理論です。当時ガンステッドはパーマー・スクールを卒業後、カイロプラクターとして経験を積み独立開業しました。

 

その後治療院の移転もありましたが、最終的に彼はウィスコンシン州のマウントハーブに大規模な診療所を設けました。敷地内には患者さんが遠方からでも来られるように滑走路と宿泊施設も設けれました。最盛期のガンステッドは一日に300~400人の患者さんを治療したとも言われています。

 

さて、ガンステッド・テクニックは従来のディバーシファイド・テクニックと何が異なるかというと、まず、ディバーシファイドは椎間関節の可動域をみるのに対してガンステッドは椎間板の後方変位や状態をみます。

 

また、ガンステッド・テクニックは検査法も独特でレントゲンや皮膚温度測定などを行うことも特徴的です。

 

個人的な見解では椎間板の病理学的な状態を指標にして行うこのテクニックは非常に参考になる部分があります。また、椎間板の後方変位に着目することも非常に重要な要素であるといえます。

 

ディバーシファイド・テクニックでもいえますが、アジャストメントで重要なことはHVLAとLODです。特にガンステッド・テクニックにおけるLODは棘突起の延長線上にあることが重要です。そのため、コンタクトポイントもソフトに接触する必要があります。

 

また、後方変位をアジャストメントすることで数ミリ単位の骨変位が発生します。そのため、小脳や関節における平衡感覚にも影響を与えます。

 

後方変位が改善されると痛みの閾値にも変化が現れます。これは重心の変化により、患部への負荷が軽減されるためだと思われます。また、ストレッチによる軟部組織の柔軟性向上や発痛物質の除去、拡散が起きることも考えられます。