栄養のお話

栄養素は主に糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素がヒトに不可欠な栄養素といえます。


また、近年ではこれらに加えてビタミン、ミネラル、食物繊維も加わり6大栄養素ともいわれています。


6大栄養素


●糖質

●脂質

●タンパク質

+

●ビタミン

●ミネラル

●食物繊維


三大栄養素の主な役割


糖質


●エネルギー原料


脂質


●エネルギーの貯蔵


タンパク質


●内臓や筋肉の主成分


ビタミン


ビタミンの主な役割は、生体内における補酵素の働きが挙げられます。

ほとんどのビタミンは生体内で合成ができないので食事やサプリメントから摂取する必要があります。


ミネラル


ミネラルは別名:無機質とも呼ばれカルシウムやナトリウムが知られています。ミネラルの主な役割は骨、血管、神経の働きに関与します。


食物繊維


食物繊維は体内の消化酵素では消化しきれない栄養素をいいます。

昔は食物繊維は不要な栄養素と思われていましたが、近年ではその考えが変わり、体に様々なメリットがあることがわかってきました。


主な効果


●食後の血糖値上昇の抑制

●コレステロール吸収の抑制

●大腸の蠕動運動促進

●糖尿病、脂質異常症、動脈硬化、便秘などの予防


※食物繊維は主に野菜や発酵食品に多く含まれています。


ビタミンやミネラルは体内の様々な代謝において重要な栄養素といえます。また、体に必要なビタミンやミネラルは三大栄養素と比べるとごく少量でいいと言われています。


しかし、現代人はビタミン、ミネラル不足が多い傾向にあります。


さて前置きが多くなりましたが、ここからが本題で良質な食生活を送るためには何が必要なのかを逆算して考えていきます。


まず、現代人の食生活は大半が糖質過多、脂質過多の傾向がみられます。これは明治維新や世界大戦以降の欧米食文化の影響が大きいとされます。


また、現代において栄養価は著しく向上しましたが、人工甘味料や食品添加物(防腐剤など)などの体に悪い物質が増えてしまいました。


まず、良質な食生活に転換するためには自身の食生活を見つめなおす必要があります。


また、食生活はライフスタイルにも大きく左右されるため、改善することは非常に根気と勇気が必用になります。


また、いきなり食生活をガラッと変えてしまうと、今まで慣れていた体がびっくりして離脱症状(低血糖、副腎疲労、下痢)などが出現する可能性があるため慎重に行う必要があります。


食生活の逆算


いくつか食生活の改善に必要なヒントを記したいと思います。これを全部実行することは非常に難しいのもです。


●摂取と消費の比率


まずは摂取カロリーと消費カロリーの比率を改善することです。ほとんどの人が摂取カロリーが消費カロリーを上回っている傾向にあります。


いくら糖質制限していたとしても摂取カロリーが消費カロリーに対して2倍以上だと良くないでしょう。せめて、1.5倍以下が理想といえます。


●糖質制限と減塩


糖質制限と減塩は基本中の基本です。しかし、いきなり糖質制限を行うと低血糖になりやすいため注意が必要です。


●小腸の吸収率


いくら良質な栄養を取ったとしても体内の吸収率が悪ければ意味がありません。また、食品やサプリメントなどの成分表に書かれている成分量はストレートに体内に吸収するということはまずないといえるでしょう。


よく食後、お腹が膨れたり、ガスが溜まりやすい人は腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが悪く栄養吸収が悪い可能性があるため注意が必要です。


また、プロテインなどを摂取した際にお腹が膨れる方もあまり吸収率がいいとはいえないでしょう。小腸の吸収率の悪い人の特徴として、糖質過多、飽和脂肪酸過多が原因であることが多いです。


また、吸収率は体質にも大きく左右されるため、体質的に吸収率が悪い人は一回の食事量を変える必要があります。


●カフェイン、アルコール、煙草を控える

カフェイン、アルコール、ニコチンは体内で消化、分解される過程でビタミンやミネラルを多く消費します。


そのため、良質な食事とは相性があまり良いとはいえません。

しかし、アルコール(赤ワインなど)は少量であれば健康には悪くはないので絶対取ってはいけないわけではありません。


●タンパク質中心


ほとんどの方は糖質過多の傾向があるため、タンパク質中心に切り替えることが望ましいと思います。特にお米やお菓子(精製された砂糖)は血糖値の上昇が高いため、お米の量を普段より少なくしましょう。


普段からお米を取らない人は大丈夫ですが、他の炭水化物(パンや麺類など)を取りすぎるのもよくありません。しかし、高タンパク質すぎるのも腎臓に負担をかけるので注意しましょう。


※タンパク質は魚、豚、鳥、納豆(植物性)などの低脂質のものが望ましいです。


発酵食品をとる


発酵食品は食物繊維が多く含まれているため、腸内環境を整えるだけではなく、動脈硬化やコレステロール吸収の抑制などの生活習慣病の予防につながります。


●オメガ3の摂取


個体油などの飽和脂肪酸を多く摂取している方は、オメガ3を多く含む青魚、フィッシュオイル、しそ油、えごま油などを多くとりましょう。

固体の油


🔶飽和脂肪酸(動物性油、一部の植物性油)


バター、ラード、牛や豚の脂身、ココナッツ油


🔶トランス脂肪酸(不自然な油脂製品)


マーガリン、ショートニング

液体の油


🔶一価不飽和脂肪酸(オメガ6)


オリーブオイル、キョノーラ油


🔶多価不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6)


しそ油、青魚の油、ベニバナ油、コーン油


■オメガ3系の油


DHAやEPAが豊富なオメガ3系の油は、抗炎症作用、腸の粘膜を保護、動脈硬化の予防、油の分解作用など様々なメリットがあります。


●抗炎症作用

●腸の粘膜を保護

●動脈硬化の予防


※腸内環境が悪い方は、発酵食品やオメガ3を摂取することをお勧めします。しかし、前提としてアルコール、カフェイン、たばこなどは控えることが大事です。


🔶ストレスとの闘い


食生活を改善することで精神的なストレスが生じます。特に糖質はセロトニンなどの幸せホルモンの分泌が多いため、摂取制限を行うだけでもかなり、脳にストレスが溜まります。

また、上記の食生活のヒントに加えて適切な運動習慣と睡眠が不可欠なのはいうまでもありません。