自律神経由来のしびれのお話

今回は自律神経由来のしびれについてお話したいと思います。

 

しびれの症状は筋骨格系由来の症状を代表するものの一つですが、実は自律神経由来のしびれもあるということはご存知だったでしょうか?

 

代表的なのが冷えによるしびれです。これは気温が下がることで交感神経が優位になり末梢の血流が悪くなることで起きます。俗にいう末端のしびれです。これは生活習慣病、更年期障害、自律神経失調症を抱える方に出現しやすいです。

 

また、坐骨神経痛、手根管症候群、頸椎症などの筋骨格系由来のしびれを呈している方も、自律神経由来のしびれで症状が悪化することもあります。

 

そして、自律神経由来のしびれは末端に出現することが多いですが、両側性のしびれと片側性のしびれの二つに分かれます。また、手足両方に出現することもあれば、一か所だけということもあります。

 

さて、話は少し複雑になりますが、痛みやしびれを認知する部位は大脳皮質の体性感覚野という場所ですが、痛みやしびれは記憶もされます。

 

痛みやしびれの記憶はそのときの刺激量、状況、状態、場所、年齢、期間などにより記憶の強度が変わります。辛い、苦しい、怖いなどの大脳辺縁系に負担がかかればかかるほど痛みやしびれの記憶は複雑になり厄介です。

 

また痛みやしびれの記憶はトラウマに通じるものがあり、海馬や大脳皮質に反射経路が形成されると非常に厄介なものになります。いわゆる条件反射というやつです。

 

ある特定の条件により記憶された痛みやしびれが出現するというものです。それらの記憶が不定愁訴の原因にもつながることもあります。