中腰姿勢のお話

中腰姿勢は腰痛の原因に多い姿勢の一つです。ではなぜ中腰姿勢は腰痛になりやすいのかを椎間板の負荷の視点で説明したいと思います

 

まず、下のグラフを見ていただくと中腰による椎間板の負荷の数値は150%です。これは中腰により椎間板周辺が支点、力点の役割を担うからです。椎間板周辺には椎間板をはじめ椎間関節、脊柱起立筋、前縦靭帯、後縦靭帯、神経根、洞神経、血管など様々な組織が存在しています。

腰痛グラフ

中腰をとるとこれらの組織に対して圧迫、伸張、圧縮などの負荷が加わります。また、加齢による椎間板周辺の骨棘や肥厚が負荷を増悪させる要因にもなります。

 

では、いかにして中腰による腰痛を防ぐかについてですが、大きく四通りの対策があります。

 

●テーピング、サポーター

 

●腹横筋や腹筋の強化

 

●ハムストリングなどの柔軟性向上

 

●体の使い方の改善

 

なかでもお勧めは体の使い方の改善です。特に中腰の際に足の指と腹筋に力を入れてから中腰をとるように意識することです。これはほとんどの方ができていない体の使い方です。この意識だけでも椎間板に加わる負荷はかなり減少します。

 

まず、足の指を使うことで足趾や下腿三頭筋、大腿四頭筋などの筋肉が作用するため椎間板周辺の脊柱起立筋のスパズムを防ぐメリットがあります。また、同時に腹筋に力をいれることで椎間板周辺(特に後方部)の圧を逃がす作用があります。

 

原発性のヘルニアの場合、椎間板内の髄核が線維輪の亀裂により溢れ出て神経根を刺激する結果生じる傾向にありますが、くしゃみなどの一瞬の腹圧の変化でも椎間板周辺には大きな負荷が加わることがあります。