カイロプラクティック知見

グラフ

現代におけるカイロプラクティックの知見を私なりの考えで述べたいと思います。現代のカイロプラクティックは関節を介した神経生理学的反射作用を中心にメカニズムを追究していると思われます。

 

基本的に反射の要素には以下の種類があります。

 

●感覚性要素

●情動性要素

●自律性要素

●運動性要素

 

私自身は検査において上記で挙げた反射要素を重要視します。しかし、これらの反射要素は複雑に絡み合っているため、一番影響を及ぼしている要素を特定するにはカウンセリングによる状態の把握が非常に重要になります。

 

また、学生時代に教わった複雑系ネットワークの特性を用いた思考実験があります。これは理論生物学者のS・カウフマンのランダムグラフに関する記述を参考にした理論です。

 

これはランダムグラフにおいて二つの対象比が0.5を超えると相転移が発生し巨大クラスターを形成します。この巨大クラスターは要素間に多くの複雑なつながりのある状態(神経筋骨格系において)といえます。このつながりが多少断たれても神経筋骨格系の巨大なクラスターは維持されますが、一定の比率を下回ると神経筋骨格系の機能が崩壊するという考えです。

 

この思考実験は上記の反射要素との関係を考察する上で非常に重要な考え方だと私は思います。

 

 

さてカイロプラクティック・ケアにおける関節可動域の改善における作用は以下の通りです。

 

・疼痛低下

・神経の興奮性低下

・体性‐体性反射(Ⅰb抑制=伸張反射抑制、筋の弛緩)

・体性‐内臓反射(メリックシステム)

・自律神経機能の改善

・脳幹網様体の賦活

 

これらは関節を介した生理学的な反射作用により起きると考えられています。また、反射作用は先述した複雑系思考実験における巨大クラスター形成において複雑に影響しあっているといえます。これが、カイロプラクティックの効果を科学的に分析する難しさを表す一例を示してると思われます。