末梢神経マニュピレーション

末梢神経マニュピレーションは、オステオパシーはフランスの臨床家バラルD.Oが提唱するテクニックです。

 

このテクニックは末梢神経周囲の結合組織の癒着や緊張を緩めることで間接的に神経内圧を減圧させる狙いがあります。

 

TOSや手根管症候群、神経根症など末梢神経絞扼が生じる場合、絞扼を受けている神経周辺の結合組織は過緊張であることが多いです。

 

その結果、絞扼されている末梢神経への血液供給の機能低下が生じます。そうすると筋力低下やしびれ、放散痛などの症状が出現することがあります。

 

末梢神経マニュピレーションの技法として、組織間リリースや筋膜リリースと似通う部分があります。

 

しかし、末梢神経マニュピレーションテクニックの適応患者さんは中度から重度の神経症状に適しているため、強い押圧や伸長圧はそこまで必要ではありません(損傷部位にもよりますが比較的弱い力から始める傾向にあります)。末梢神経の損傷度合のグレードとしてワーラー変性が挙げられます。

 

私はこのテクニックをアジャストメントが適応できない神経症状の患者さんに用いることが多いです。神経は非常に精細かつ敏感な組織です。神経の付着部位や押圧、伸張方向、力加減などを考慮しながら行うことが重要になります。